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通勤で夢中になれる文庫本ブログ
Category: オススメ本,小説 — written by tsujio 09.06.23.(火) 07:00

大ヒット作『優駿』を読む

優駿〈上〉 (新潮文庫)

著者/訳者:宮本 輝

出版社:新潮社( 1989-11 )

定価:¥ 540

Amazon価格:¥ 540

文庫 ( 334 ページ )

ISBN-10 : 4101307067

ISBN-13 : 9784101307060



優駿〈下〉 (新潮文庫)

著者/訳者:宮本 輝

出版社:新潮社( 1989-11 )

定価:¥ 580

Amazon価格:¥ 580

文庫 ( 394 ページ )

ISBN-10 : 4101307075

ISBN-13 : 9784101307077


 宮本輝の代表作の一つ。1988年に斉藤由貴、緒形直人で映画化され240万人超を動員するヒット作になっています。

文章とストーリーに引き込まれる

 宮本輝の文章が好きです。平易な文章でとても読みやすいのですが、受け取る情報量はとても多い。
 
 この本でも牧場やレースのシーンの描写はその場の情景が目に浮かびます。
 特に騎手目線で描かれたレースシーンは迫力があります。徹底的に取材をしたんでしょうね。

 泥臭い関西弁をしゃべる登場人物も魅力的で、なかでも騎手の奈良が一番感情移入出来ました。

 『葡萄と郷愁』に郷愁は感じない で頂いたコメントに「宮本輝は自身のことを「物語作家」と言っているように」とありましたが、本作はそのとおり良質の物語だと思います。すごくおもしろい。

 オススメ。

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Category: オススメ本,小説 — written by tsujio 09.06.22.(月) 07:00

『うつくしい子供』からみる「家族の在り方」

うつくしい子ども (文春文庫)

著者/訳者:石田 衣良

出版社:文藝春秋( 2001-12 )

定価:¥ 530

Amazon価格:¥ 530

文庫 ( 285 ページ )

ISBN-10 : 4167174057

ISBN-13 : 9784167174057



 「病んだ現代に独自の視点からメスを入れる若者の代弁者」とは今考えた石田衣良のキャッチコピーです。やっすー。
 テレビで連日報道される少年による犯罪、この本では被害者側ではなく加害者側の視点から描いています。

家族が犯罪を起こしたら 

 ”家族が犯罪被害者になったら”ではなく、”家族が犯罪加害者になったら”を考える人は少ないのではないでしょうか。
 感情移入するのは被害者側だからです。
 この小説を読んで改めて思うのは、「被害者は当然かわいそうだが、加害者の家族も同じようにかわいそう」ということです。
 
 ”加害者のこどもを持った親の生活”がリアル(と感じる)に描かれており、息苦しいです。程度の差はあるにせよ加害者の家族も被害者でしょう。

 「女性の腕つかみ線路に落とす」なんて常軌を逸した事件が起こる現代、「家族が犯罪を起こす」ことも考え難いことですが有っておかしくないのかなと。
 文字通り「他人事」ではなく、 「身内が犯罪を犯したら」についていろいろ考えさせられました。

 それはともかく石田衣良の小説には”身体に障害を持ったこども”がよく登場しますねー。

「現代のこども」が石田衣良のテーマ

 以前NHKの“心に病をもった少年少女”がテーマのドキュメント番組に石田衣良がコメンテーターで出ていました。リストカットやら不登校やらナウな問題がテーマです。他の番組でも同じ役回りで出演しているのを見たことがあります。
 メディアを問わず「現代のこども」を発信し続けてますねぇ石田衣良。
 クイズ番組でもよく見るけど。

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Category: 小説 — written by tsujio 09.06.19.(金) 07:00

『葡萄と郷愁』に郷愁は感じない

葡萄と郷愁 (光文社文庫)

著者/訳者:宮本 輝

出版社:光文社( 2002-10 )

定価:¥ 480

Amazon価格:¥ 480

文庫 ( 236 ページ )

ISBN-10 : 4334733859

ISBN-13 : 9784334733858


 宮本輝といえばシチュエーションは外国、ということでこの作品も東京とハンガリーを舞台にしています。

結局・・・

 東京とハンガリーの女性、ふたりが同時進行で描かれていきます。

 当然ふたりとも美人です。宮本輝が描く登場人物の前提として「女は飛びぬけた美人(ふつうの美人ではない)、バイリンガルトライリンガルあたりまえ」があるからです。
 これはどの作品でもあたりまえ。あ、男性はハンサムかどうかはともかく外国が舞台だと現地語ペラペラです。
 そうしないと話が進まないんでしょうね。毎回通訳が登場すると。常に登場人物と一緒に行動、とかなるとその通訳が気になる。会話にもかならず通訳のカギカッコが入ったりして読みにくい。そのうち現地人から聞いた「ウマい話」をきちんと日本語に訳さず、自分が儲けようとしたせいで事件に巻き込まれたりする通訳が出てくる始末。

 とにかく「そんなやつおらへんやろ?(C)大木こだま」と登場人物につっこみながら読むのが宮本輝の正しい読み方です。

登場人物とのシンクロ率

 登場人物が才色兼備なのはいいとして、物語としては起伏がなく余り入り込めませんでした。女性が主人公ということで恋愛が絡んでくるのはいいとして、「結局惚れたはれたかよ」と思ってしまいます。
 それぞれのストーリーが浅くて肩までどっぷり浸かれないというか。

 ぼくは「ふーん」で終わりましたが、外国の地名が飛び交う国際的な雰囲気が好きな方には良いんじゃないでしょうか。

 「アーギ」って。馴染まれへんわー

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Category: オススメ本,小説 — written by tsujio 09.06.18.(木) 07:00

映画も原作も素晴らしい『青春デンデケデケデケ』

私家版 青春デンデケデケデケ (角川文庫)

著者/訳者:芦原 すなお

出版社:角川書店( 1998-07 )

定価:¥ 840

文庫 ( 470 ページ )

ISBN-10 : 4043446012

ISBN-13 : 9784043446018



 105回直木賞受賞。
 最初ぼくは映画を観て「めっちゃおもろい」と思い、数年後原作を読んでめっちゃ感動しました。映画、原作、両方とも素晴らしいです。

笑えて最後にホロッとくる

 主人公がラジオで聴いたベンチャーズの「パイプライン」に衝撃を受けることからストーリーは始まります。

 「四国の田舎」を舞台にバンドを組もうと悪戦苦闘する主人公達がとても魅力的に描かれています。それぞれのキャラがたっていて、とても魅力的です。「バンドやりたい・・・」と大多数の男の子と同じように悶々とした思春期を送ったぼくは感情移入しまくりでした。
 途中ふいに笑ってしまうところも多くあるので通勤電車の中では気をつけましょう。
 楽器を買うために苦労する前半、演奏・練習に明け暮れる後半からラストまで一気に読ませます。

 特にラストの主人公の台詞は泣かせます。
 読後はなんだか切なくて切なくて。あぁ青春ってなんだっけなんだっけ。

文庫もいいけど映画もネ。

青春デンデケデケデケ デラックス版 [DVD]

販売元:ジェネオン エンタテインメント( 2001-04-25 )

定価:¥ 4,935 ( 中古価格 ¥ 3,600 より )

Amazon価格:¥ 3,670

時間:135 分

1 枚組 ( DVD )


 負けず劣らず映画も良いです。監督は大林宣彦。
 小説と同じようにポンポン話が展開していきながらストーリーに引き込まれます。配役もホント小説のイメージそのまんまで、特にバンドのメンバーでお寺の息子役大森嘉之は最高にはまってます。素晴らしい。と、思ったら「その年の新人賞を総なめした」らしいです。納得。

 いま気づいたのですが、浅野忠信も出ていたんですね。しかもバンドのメンバーで。おったかぁ?
 
 とにかくたのしいたのしい映画です。『ALWAYS 三丁目の夕日』と設定は違いますが、同じ「古き良き日本」って感じ。

 機会があれば是非。

?価値観の違いについて

 ぼくがこれだけ諸手を挙げて絶賛し、大学時代の友人(男)に「おもしろくて一気に読んでもた」と言わしめたこの小説を女子に読ませたところ、なんと「読むのしんどくて途中でやめた」というではありませんか。

 このときほど「人間の価値観はそれぞれちがう」のを痛感したことはありません。『青春デンデケデケデケ』がおもしろいのは「火に触れると熱い」のと同じくらい自明の理だと思ったのに。

 日本人同士でもこれだけ価値観が違うんです。

 戦争が無くならないわけです。

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Category: 小説 — written by tsujio 09.06.17.(水) 07:00

『赤頭巾ちゃん気をつけて』に気をつけて

赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)

著者/訳者:庄司 薫

出版社:中央公論新社( 2002-10 )

定価:¥ 620

Amazon価格:¥ 620

文庫 ( 177 ページ )

ISBN-10 : 4122041007

ISBN-13 : 9784122041004



第61回芥川賞受賞。映画化されDVDも発売されています。

読むのしんどっ

 学生運動まっただ中、受験生である薫クンの心理描写がえんえんと続きます。
 なんかこう、ずーっと独り言を言っているような文章です。

 正直ぼくは全然ダメで、ただただ読むのがしんどいだけでしたが、アマゾンのレビューを見ると評価は高いです。きっと好き嫌いがハッキリしてる作品なんでしょうねー。

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