キングが書く“ふつう”の小説『スタンド・バイ・ミー』
著者/訳者:スティーヴン・キング Stephen King 山田 順子
出版社:新潮社( 1987-03-25 )
定価:¥ 780
Amazon価格:¥ 780
文庫 ( 434 ページ )
ISBN-10 : 4102193057
ISBN-13 : 9784102193051
4つの中編を集めた『Different Seasons』から「秋・冬」2作を収録したのが本書。
おなじみ『スタンド・バイ・ミー』は「秋編」で原題は『The Body』(死体)、「冬編」として『マンハッタンの奇譚クラブ』(原題『The Breathing Method』)が収録されています。
スタンド・バイ・ミー
ちゃ?ちゃー♪ちゃらちゃ?ちゃー♪のベン・E・キングでお馴染み映画版『スタンド・バイ・ミー』。
何度も再放送されていますが通して観たことはなく、“少年たちの甘酸っぱい話なんだろうな”ぐらいに思っていました。
線路走ったり。
映画版は知りませんが、小説版は「作家になった主人公が当時の冒険を振り返る」という形で書かれています。
キングが書くホラー作品(とは思わないですが適当な言葉がみつかりません)以外の小説は面白いのかと興味がありました。
読み終えましたが“『IT』や『ミザリー』、『シャイニング』、『ダークハーフ』のような「ホラー作品」のほうが好き”です。
こういう小説は“自分が過ごした少年時代のノスタルジー”が思い出されて“いいなぁ”となるんでしょうが、国が違えばノスタルジーも違うということで日本人のぼくには共感できない部分も多かったです。
映画は映像で「アメリカのノスタルジー」を見せてくれるので日本人でも共感できヒットもしたんじゃないでしょうか。
キングは場面や人物の細部を(独特の形容で)細かく書くので、場面や登場人物をイメージしやすいです。
この作品でも頭の中にリアルな(思いこみの)情景が浮かぶのですが、異常な、超常的なイメージをリアルに浮かばせてくれるほうが面白いです。
『マンハッタンの奇譚クラブ』のほうがキングっぽい感じ。
読後感も「ふーん」という感じで、中編という長さもありますが「がっつり読んだ」満足感はなかったです。
四人いる少年の中でも、ドラッグのオーバードーズで死んだ故リバーフェニックスが演じたクリスがすごく大人に描かれていて魅力的です。
マンハッタンの奇譚クラブ
作品全体が石造りのヨーロッパな感じです。ゴシックというか。
冬編なので当たり前ですが、「ヨーロッパの冬」という重たい雰囲気です。舞台はニューヨークですが。
このクラブで語られる話とこのクラブ自体が作品のテーマです。
“『スタンド・バイ・ミー』のおまけ作品”くらいにしか思っていませんでしたが、意外や意外、楽しめました。






