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通勤で夢中になれる文庫本ブログ
Category: 小説 — written by tsujio 09.07.03.(金) 07:00

『黄金を抱いて翔べ』ない

黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)

著者/訳者:高村 薫

出版社:新潮社( 1994-01 )

定価:¥ 578

Amazon価格:¥ 578

文庫 ( 358 ページ )

ISBN-10 : 4101347115

ISBN-13 : 9784101347110



第三回日本推理サスペンス大賞受賞作です。

高村薫は難解と聞きましたが

 最後まで読んでも“なんだか話がよくわからない”ですが、「難解」というより「説得力がない」と思いました。場面、情景の描写が多く、平坦なのでついつい飛ばし読みしてしまいます。

 主人公がゲイっぽい描写がところどころ出てきますが最後まで本当のところはわからず。“主人公のお父さんでは?”という人物が出てきますが最後まで本当のところはわからず。なんだかよくわからない登場人物がなんだかよくわからないままフェードアウトするのもよくわからず。
 けっこう重要なキーワードであるはずの“人間の居ない土地”も抽象的すぎてなんだかよくわからず。

 「ん、なんだろう?」と思わせる設定を振るだけ振っといてあとは何の説明もなし、という“振り逃げ”が多すぎると思いました。解らないのはぼくだけかな?

 コンピューターを利用するエピソードも「そんなことでけへんやろ?」というつっこみをよそに乗り切ってしまい、水をさします。
 

 これサスペンスなんですか?

 “高村薫は柴田理恵に似ている”とまわりに言ってみましたが同意は得られず。
 
 

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Category: オススメ本,小説 — written by tsujio 09.07.02.(木) 07:00

おもしろ哀しい『青の炎』

青の炎 (角川文庫)

著者/訳者:貴志 祐介

出版社:角川書店( 2002-10 )

定価:¥ 700

Amazon価格:¥ 700

文庫 ( 495 ページ )

ISBN-10 : 4041979064

ISBN-13 : 9784041979068



『嵐』の二宮和也主演で映画化もされている「完全犯罪を計画する高校生」が主人公の小説です。

貴志祐介は取材をきちんとしている

 最初の数ページの会話シーンを読んで”このノリはしんどいかも・・・”と思いましたが読み進めるうちに気にならなくなりました。『蹴りたい背中』を読んだときと同じ感じ。
 そんなことより”めっちゃ調べてるなぁ”という印象が強かったです。

? 本文最後の「解説」にもあるとおり、貴志祐介は“取材魔”らしいです。

 たしかに移動する自転車での所要時間だとか藤沢市の雰囲気だとか。
 “実際に行かなければわからないんだろうな”という描写がたくさんです。

 そう感じるに従って物語が真実みを帯びてきて引き込まれていきました。本当の話のような。
 読み終わったあと、“他にやり方なかったんやろか・・・”とどっぷり感情移入してしまう始末。

 おもしろさとやるせなさが半々です。
 おもしろ哀しい・・・。

映画はどうなんだろう 

 映画の主人公は嵐の二宮君ですが、原作を読んだ限りではハマっている感じです。優等生な雰囲気が。
 

『黒い家』はゾッとする怖さ

黒い家 (角川ホラー文庫)

著者/訳者:貴志 祐介

出版社:角川書店( 1998-12 )

定価:¥ 700

Amazon価格:¥ 700

文庫 ( 392 ページ )

ISBN-10 : 4041979021

ISBN-13 : 9784041979020



 貴志祐介を意識したのは、「和歌山毒物カレー事件」の直後でした。
 当時毎週聴いていた『サイキック青年団』で、創価学会で謹慎中の北野誠が“カレー事件とすごく似た小説が事件以前に出版されている”と言っていたのがきっかけでした。

 通っていた高校の近くの事件だったので興味をもちすぐ購入して読みました。
 第4回日本ホラー小説大賞受賞のこの作品はものごっつぅ怖かった。
 “テレビ画面から女が這い出してくる”のとは違う、“生身の人間の怖さ”で嫌な気分になったのを覚えています。

 貴志祐介、おもしろいです。

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Category: 小説 — written by tsujio 09.07.01.(水) 07:00

しみじみする『犬の系譜』

犬の系譜 (講談社文庫)

著者/訳者:椎名 誠

出版社:講談社( 1991-01 )

定価:¥ 490

文庫 ( 261 ページ )

ISBN-10 : 4061848348

ISBN-13 : 9784061848344


1989年吉川英治文学新人賞受賞作品。

椎名誠で“文学”を感じる作品

 初期の「昭和軽薄体」から、エッセイは多く読んできました。
 この本は作者と家族の移り変わりをその時代に飼っていた犬を目印として淡々と描いています。

 色あせたフィルムで、素人臭い俳優が演技している映画を観た感じがしました。素朴というかしみじみというか。
 椎名誠の自伝的小説では『黄金時代』に出てくるような“ケンカのシーン”が迫力があり興奮するので好きなのですが、こういう淡々とした空気感も良いです。

 ちなみにぼくの“椎名誠の暴力描写ナンバーワン”は“書店(紀伊国屋だったと思う)で本棚の本を取ろうとしたらなぜか若い男が横から邪魔をする。おかしな奴で何度も何度も邪魔をするので頭に来ていきなり殴ってしまうと倒れた男はびっくりした顔でこちらを見上げた。すぐに本屋から出たがいい年をして馬鹿なことをしてしまった”というエピソードです。
 特に“いきなり殴られてびっくりした顔で”というところがすごく“いい”。

 ストーリーはとつとつと流れていき文章もシンプルでスッキリしているのですぐに読み終えます。
 平野甲賀の装丁も好き。

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