
リレキショ (河出文庫)
著者/訳者:中村 航
出版社:河出書房新社( 2005-10-05 )
定価:¥ 515
Amazon価格:¥ 515
文庫 ( 208 ページ )
ISBN-10 : 4309407595
ISBN-13 : 9784309407593
第39回 (2002年) 文藝賞受賞作品
きっつー・・・
この本を読むまで、読み始めた本は最後まで読むことにしていました。
最後まで通して読まないとおもしろいかどうかなんてわからないと思っていたからです。
この本を読んで「途中で読むのをやめる方がいいこともある」とはじめて思いました。
“最後まで読まないと”なんて自己満足な義務感で読むのはバカらしいことを気づかせてくれる一冊でした。
その本が良いか悪いかなんて読む人の主観が大きいと思いますし、この本はぼくにとってはまったくダメでした。
「こども大人」の頭の中を覗いているような
“からだはこども、でも頭脳はおとな”(こんなんやっけ?)のコナン君とは真逆、“からだはおとな、でも頭脳はイタタタ小学生”でしょうか。
裏表紙に「都会の青春ファンタジー」とありますのでこれで良いんでしょう。「青春ファンタジー」ってなんやねん、定義を教えてくれやっ。
「ファンタジー」というか「妄想」がぴったりくるんじゃないでしょうか。“都会の青春妄想”となると一気にサスペンス、病んだ現代社会ってかんじですね。
中村 航について想像をめぐらしてみる
小学校の昼休み、外に遊びに行かず机に覆い被さって「ものがたり」をノートに書き続けるちょっと内気な生徒の机から、掃除の時間にホウキでチャンバラしていたやんちゃな男子がよろけて机にぶつかった際に「バサッ」と落ちたノート一冊。
「なんやこれ?」と詮索好きなおばちゃんのごとく何のためらいもなくノートを広げると女の子のような細かい字がビッシリ。
「なんやなんや」と三人でのぞき込んで読んでいくと主人公がお姫様の物語、でもまてよ、これってアイツ自分のことちゃうの?え?でもアイツ男やん、ホラここに書いてあるようなメガネアイツしてたやん、でもなんでお姫様がメガネしてんねん、あ、ちょっとまってこれおまえのことちゃうの?え、どれどれ見せて見せて、あ!ホンマや!「鼻と眉毛の下に大きなホクロがある」って書いてある、え?おれどうなんの?先めくれや先、あ!死んでる!なんでトラックに轢かれてんねん!イラストまで書いたぁるやんけ、ごっつ血ぃ出てるでおまえ確実に死んでるわ、でもなんでお姫様がトラック運転してんねん、あ、こないだおまえアイツのこと「女みたい」ってからかってたからちゃうん?アイツ泣きかけてたもん、マジで?!・・・まぁええわ、でもまぁアイツちょっとヤバない?
三人は顔を見合わせそっとノートを机に戻す夕暮れの教室、外ではスズムシが鳴いており、ああ、もうすっかり秋ですね、という作者の子供時代に思いを馳せてしまうほどです。
世間の人とのずれ
『ゴールデンスランバー』を読んだときにも思いました。「みんなおもんないって思ってるやろ」と。でも検索してみると肯定的な意見が殆ど、否定的な意見は2chにチラホラあるだけ。この本も同じでした。
やっぱり世間の人、というか10代20代の人とはおもしろいと思う感覚がズレてきてるんかなー。
ソッと背中を丸める初秋の朝なのでした。