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通勤で夢中になれる文庫本ブログ
カテゴリー: 海外小説 — written by tsujio 09.09.30.(水) 06:00

重厚なファンタジー『クリスマス・カロル』

クリスマス・カロル (新潮文庫)

著者/訳者:ディケンズ

出版社:新潮社( 1952-11 )

定価:¥ 300

Amazon価格:¥ 300

文庫 ( 151 ページ )

ISBN-10 : 4102030085

ISBN-13 : 9784102030080



文豪ディケンズのクリスマスをテーマにしたファンタジー。1952年発刊。

第一章『マーレイの亡霊』で引き込まれた

 前編に“幽霊”というか“霊”のようなものが出てくるのですが、その迫力に“おおースゲー”と思った箇所があります。
 それは第一章の

幽霊が手を挙げた途端に、たちまちにして空中には大変な物音がしてきた。悲しみと後悔の入り乱れた声、言いようもなくなさけない声が聞こえて来たのである。
 一瞬間、耳を澄ましていた幽霊は、その悲しみの歌に自分も声を合わせながら、寂しい闇の中へ飛び去った。
(本文ママ)

という箇所です。

 「言いようもなくなさけない声」を読んで、『ドラえもんのび太の魔界大冒険』での山の鳴き声(?)、「オロローン」が思い浮かびました。

軽くない、「ガチッとした」ファンタジーでした

 「ディケンズって聞いたことある」というだけで読み始めた本作。

 「クリスマスをテーマにしたファンタジー」を見ただけで受け付けない感じでしたが、読んでみると意外や意外、街灯に照らされる石造りの街並みが目に浮かぶ重厚な雰囲気の作品でした。

 それに先述の描写。
 
 「やっぱゆうめいなひとはすごいな」と全部ひらがなで感心したのでした。
 

『オリバー・ツイスト』を読んでみたい

 大好きな作品『ストリート・キッズ』の主人公ニールが本に目覚めるきっかけになった『オリバー・ツイスト』。
 二作目『仏陀への道』にもチョロっと出てきました。
 早く読んでみたいなぁー。
 
 日本の作家もそうですが、教科書に載ってしまうとつい「勉強」という単語が浮かび読むのを敬遠してしまいます。
 ぼくはそうでした。

 そういえばディケンズも「英文学史」の授業でやったなぁ。そら聞いたことあるはずです。

 もっと「文豪」の作品を読んでみよう、って頭悪そうですか。そうですか。

 

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カテゴリー: 海外小説 — written by tsujio 09.09.25.(金) 07:52

あなたは『シャイニング』を持っていますか?

シャイニング〈上〉 (文春文庫)

著者/訳者:スティーヴン キング

出版社:文藝春秋( 2008-08-05 )

定価:¥ 890

Amazon価格:¥ 890

文庫 ( 421 ページ )

ISBN-10 : 416770563X

ISBN-13 : 9784167705633



シャイニング〈下〉 (文春文庫)

著者/訳者:スティーヴン キング

出版社:文藝春秋( 2008-08-05 )

定価:¥ 890

Amazon価格:¥ 890

文庫 ( 441 ページ )

ISBN-10 : 4167705648

ISBN-13 : 9784167705640



 1977年発刊のキング三作目の長編。映画化もされています。

古典とも言えるシャイニングを読んだ

 30年以上前に発表されたシャイニング。映画も有名ですが、両方とも観たことも読んだこともありませんでした。
 同じようにまだ観ていない、読んでいない人も多いのでは?
 特に若い人は。

ジャックニコルソンのキレた演技が有名

 狂った顔をしたジャックニコルソンが出演している部分は何度か観たことがあります。

 小説を読んでいると、歯をむき出しにしたジャックニコルソンのアップが常に頭にありました。

ホラーだけどぜんぜん恐くはない

 スティーブン・キングの作品は「ホラー」に入りますが、今まで読んだその殆どがまったく恐くありませんでした。
 「恐い」というより「不可思議」と言った方がピッタリきます。

キングらしい細かい描写が楽しい

 前述の不可思議な描写もあいかわらずホントに細かく、その映像が目に浮かぶようです。
 あと人物の外見と行動がちょっとしたことまでクローズアップして書かれているので、ホントに実在しているかと思わせるリアリティがあります。

 キングには映像が見えてるんでしょうね。

 キングを読んだことのない人には『ミザリー』をまずオススメしたいですが、こちらもキングの魅力たっぷりですので是非。

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カテゴリー: 小説 — written by tsujio 09.09.21.(月) 06:00

芥川賞候補作だった『キオミ』も読んでみた

キオミ (角川文庫)

著者/訳者:内田 春菊

出版社:角川書店( 1998-04 )

定価:¥ 500

Amazon価格:¥ 500

文庫 ( 247 ページ )

ISBN-10 : 404344401X

ISBN-13 : 9784043444014



 男女関係を赤裸々(古い)に描いた作品集。収録作の『キオミ』は芥川賞候補作になったそうです。

読んでみたら短編集でした

 本作は短編集であり、芥川賞候補になった『キオミ』を含む7作が収められています。
 「性愛の底に流れる心のせつなさと揺れる男女の愛を描いた作品(裏表紙)」6作とまったくジャンルの違う短編がひとつ。

収録作

  • あたしの欲しいもの
  • 勃たなかった男
  • シタダシレッテル
  • バージン
  • スローロリス螺旋
  • 夜の足音
  • キオミ

読む人によってぜんぜん違うやろなー

 「男の人と女の人」、「今までどういう経験をしてきたか(恋愛の)」によってずいぶん受け取り方が違うと思います。
 読む人の共感の度合いで大きく左右されるような。
 ん?それはどの本でも同じかな?

 ぼくは女性の心理に詳しくないので共感も否定も出来ず、ただただ「ああ、そ、そうなんですね」とオロオロするばかりでした。
 完全に受け身。

この本は恋愛に使えるか

あるんかそんなこと其の一

 「恋愛経験豊富な大人の女性に苦しい片想いの恋をしている」方は、完全に「これは自分の体験だ」と信じられるまで繰り返し繰り返し本作を読み込み自己催眠をかけることで女性に対する「ゆとり」が生まれる気がしないでもないです。

あるんかそんなこと其の二

 また、 内田春菊の読者は女性が多い気がするので、「内田春菊読んでるんですよ」とさりげなく言うことで意中の女性(言い方が古い)と会話をするきっかけが出来るかも知れません。
 読んでる女性はちょっと年齢層が高いような気がしますが。

『スローロリス螺旋』みたいな作品をもっと読みたい

 この短編は他とまったく違い、女も男も嫉妬も駆け引きもセックスも出てきません。
 ただ、ぼくはこれすごく好きです。
 「しょーもなー」となる、何がどうなるわけでも無い作品なのですが、すごく楽しい。
 ホントにこういう人居そう。
 
 こういうのもっと読みたいです。

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カテゴリー: 小説 — written by tsujio 09.09.16.(水) 07:53

『ファザーファッカー』で心が揺れる

ファザーファッカー (文春文庫)

著者/訳者:内田 春菊

出版社:文藝春秋( 1996-10 )

定価:¥ 420

Amazon価格:¥ 420

文庫 ( 206 ページ )

ISBN-10 : 4167267047

ISBN-13 : 9784167267049


 その衝撃的な内容から発売当時ベストセラーになった内田春菊の小説。

内田春菊を敬遠してしまう理由

 内田春菊の描くマンガと同じ露骨な性描写がありそうで、それが活字だとマンガよりストレートだと思いなかなか読む気が起きませんでした。
 露骨な性描写を苦手に感じている人も多いのではないのでしょうか。

やっぱりタイトルのまんまだった

 先述した「読むのを敬遠してしまう理由」に付け加えて『ファザーファッカー』というあまりにもあまりもなタイトルがあります。

 キャッチーなタイトルですが、“「近親相姦」の話だったら読みたくない”と思っていました。

 読んでみると、正確には「近親」ではありませんでしたが、それと同じくらいキツイ内容でした。
 ほぼタイトル通りの内容に引いてしまう人も多いと思います。

ストーリーはサバサバすすむ

 実際に行われた酷い行動に対して、客観的ともいえる淡々とした描写のせいで、視点がその酷い行為自体ではなく、そうなった状況と主人公の心理に行きます。

 重いテーマを扱っているにも関わらず、思ったより読後の不快感は残りませんでした。
 それでも読み進めるのが辛い人も多いと思います。

フィクションとは思えないリアルさ

 フィクションだと思いたいのですが、フィクションだとは思えないリアルさを感じる箇所がいくつもあります。

 “筆者が実際の体験を元に書いた小説”という意見が多いのですが、“内田春菊が自身のエッセイの「あとがき」で「実体験じゃないのにそういうことばかり(自身の経験か)聞かれてうんざりする」と書いていた”という意見もあり、積極的に後者を支持したいですがどちらが本当なのかわかりません。

 本書の解説“にはそういう辛い体験をした内田春菊”というような記述もあって、どうやら本当らしいですが。

 ま、「小説」という形をとっているので、どちらでもいいんでしょうけど。

「性的虐待」がもつ陰惨なイメージに心臓がギュッとなる

 サバサバした文体のオブラートにくるんでみても、非人道的な行いは読むのがしんどいと感じる人は多いと思います。

最初から最後まで救いがない

 「普通の日常にある日突然起こった事件」、ではなく、「起こるべくして起こった」と思われる不穏な描写がのっけから続きます。

 あまりに酷い生活をそれでも何とかこなしていく主人公の「強さ」には、「感心する」というよりむしろ「引いて」しまいます。

積極的に読みたい話では、ない

 たとえフィクションだとはいえ、読後どう受け止めていいのかわからないところが残尿感たっぷりでした。

読む人の経験によって受け取り方がぜんぜん違うと思う

 Amazonのレビューにもありましたが、子供時代に暴力を受けた経験のある人は“この小説を読んで励まされた”そうです。
 
 いろんな意味で心が揺さぶられる本だと思います。

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カテゴリー: 海外小説 — written by tsujio 09.09.14.(月) 07:54

期待していた『仏陀への道』はどうだったか

仏陀の鏡への道 (創元推理文庫)

著者/訳者:ドン ウィンズロウ

出版社:東京創元社( 1997-03 )

定価:¥ 1,155

Amazon価格:¥ 1,155

文庫 ( 563 ページ )

ISBN-10 : 4488288022

ISBN-13 : 9784488288020



 前作『ストリート・キッズ』の余韻に後押しされ、「はやくはやく」とAmazonの封をあけるのももどかしく読んだ探偵ニール第2弾。

早く読みたいと期待していた

 前作『ストリート・キッズ』を夢中で読んだので、シリーズ第二弾であるこの本もAmazonから届くのが待ち遠しかったです。
 それほど前作の印象が強烈でした。

なかなか物語に入っていけない

 前作のように“ストーリーに引き込まれ夢中でページを繰る”という感覚は無く、“ん?”と疑問に思い我に返ってしまうところや、“ながっ”と感じられずにはいられない数ページに及ぶ状況説明が邪魔をして、なかなか“ストーリーに没頭”する状態に入れませんでした。

中国の政治的・時代的背景の描写が多すぎ

 中国が舞台ですし、ストーリーのバックボーンなので当然ですが、それでも「中国の歴史と問題」の説明ながすぎ。多すぎ。
 中国の問題はそれ自体が独立した問題なので、理解しようと頭が一時停止してしまうことがストーリーに入り込めない原因のひとつだと思います。

力業な登場人物の行動

 「え?なんでそうなるの?」と“欽ちゃん化”してしまう登場人物の行動が多かったです。
 最後まで読むと「ああ、なるほどね」と思うのですが、「そういうことだったのか!!」と疑問が氷解する快感は無く、「そうですか、まぁ辻褄はあってますけど・・・」と強引に説得された残尿感が残ります。

じゃあこの本は面白くないのかというと

 前作ほどでは無いと思いますが、面白いと思いました。
 前述の「中国の解説部分」がなければなぁ。もしくはもうちょっと少なければなぁ。

やっぱりニールは魅力的

 ニールの会話や行動は前作の延長線上にあるので、ある意味「安心して」読むことが出来ました。

解説ながっ

 今まで読んだ中でいちばん長いと思います。
 解説が『第3部』とか、段落になっています。
 読んでいくと、やはり前作『ストリート・キッズ』がすごく注目されていたんだと思いました。
 みんな続編に期待していたんですね。

完結してんのかいっ!

 どうやら探偵ニールシリーズ、全5作で完結しているらしいです。
 なのになぜ全巻出ていないかというと、訳すのが遅れているから。
 どおりで本作の時代が微妙に古いと思ったら。
 わざとそうしてると思ったら違ったんですね。

とりあえず次に期待

 Amazonのブックレビューほど期待はずれではありませんでした。
 とにかく早く次を買って読みたいです。
 

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