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通勤で夢中になれる文庫本ブログ
Category: 小説 — written by tsujio 09.09.10.(木) 07:47

『禁色』、三島由紀夫と同性愛

禁色 (新潮文庫)

著者/訳者:三島 由紀夫

出版社:新潮社( 1964-04 )

定価:¥ 780

Amazon価格:¥ 780

文庫 ( 580 ページ )

ISBN-10 : 4101050058

ISBN-13 : 9784101050058


 女を愛することの出来ない同性愛者の美青年を操ることによって、かつて自分を拒んだ女たちに復讐を試みる老作家の悲惨な最期。(出版社からのコメント)

なんだか近寄りがたかった三島由紀夫をはじめて読んだ

 「自衛隊に乱入、割腹自殺した(三島事件)」、というだけでも怯むのに、「盾の会」「男色家」という言葉にも怯んで“三島由紀夫はむずかしい”という先入観を持っていました。

 たまたま家に転がっていた本作をたまたま読んでみると意外や意外、「ふつう」の小説でした。

あからさまな同性愛描写にびっくり

 タイトルの『禁色』は“男性が男性に恋をしてしまうこと”なのか、“当は同性(男性)が好きなのに異性(女性)と結婚してしまう”という「タブー」を犯すことを指すのか。

 当然前者である気がしますが、読んでいると三島は男性が男性を愛することを「背徳的」だと捉えていない気がします。

 むしろ「美しい」ものだとしているフシがあります。

 ということは、美しい関係性である「同性愛」なのに「世間体」というものに屈し女性と結婚する男性に対しての「そんなことしちゃダメよ」「それはタブーなのよ」の『禁色』なのでしょうか。

若いころの美輪明宏のような美少年が出てきた

美輪明宏と三島由紀夫の結びつき

 “美輪明宏と三島由紀夫は恋人同士だった”という話を読んだことがあります。
 以前テレビで美輪明宏が“三島先生は?”と語っていたのを観たこともあります。

うつくし過ぎる美輪明宏

 そんなこんなでGoogle画像検索を使い美輪明宏の青年時代を検索してみると、これがスゴイ美形
 まるでギリシア彫刻のような彫りの深い日本人離れした顔を見ると、恋をしてしまう同姓の気持ちもわかります。
 この写真より綺麗な女性というのもすぐには思いつきません。
 美しい。

やっぱりモデルは美輪明宏?

 「スピリチュアル妖怪」と化した現在にも目元に面影がある、気がしないでもないです。
 作中の美青年「悠一」も若かりし美輪明宏をモデルにしているのではないでしょうか。

 「うつくしさ」の描写に美輪明宏の影がチラホラ。
 とすると老作家が三島由紀夫か。

骨太な文章

 「同性愛」を全面に出した作品だからでしょうか。
 文章はとても“男らし”いです。

 ※“三島由紀夫が大薮 春彦の愛読者だった”、というのはなんだか「そのまんま」な気がします。

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Category: エッセイ — written by tsujio 09.09.09.(水) 07:32

太宰治の旅行エッセイ?『津軽』

津軽 (新潮文庫)

著者/訳者:太宰 治

出版社:新潮社( 2004-06 )

定価:¥ 452

Amazon価格:¥ 452

文庫 ( 255 ページ )

ISBN-10 : 4101006040

ISBN-13 : 9784101006048



 昭和19年津軽風土記の執筆を依頼された太宰が、3週間にわたって津軽を旅行したときの記録。

え?太宰治が「やっちゃった」?

私はその、甚だ卑しいことを、やっちゃった。(原文ママ)

 くだけた文章に“ぎょっ”としました。ものすごい違和感。「歴史上の偉大な作家」とのイメージが強いもので。
 紀行文というかエッセイというか小説のようでもあり、太宰治の「ユーモア」さえ感じます。

旅の目的はなんなのか

 作者が36歳のときに小山書店の依頼をうけ、津軽の風土記を書くため久しぶりに帰郷する、とういのが始まりです。
 旧家出身の太宰が昔の知り合いに会いながら、最終的には育ての親「たけ」との再開を果たす、というのがテーマでしょうか。

酒ばかり呑んでいる太宰治

 日本酒やらリンゴ酒やら。この時代にビールまで呑んでいます。あったんですね。
 ともかく呑んでいるシーンが多いです。

「県」が「国」という感覚

 「国」というと日本であったりアメリカであったり中国などを思い浮かべますが、この本の舞台となる昭和初期、昭和19年頃は「県=国」という考え方も一般的だったようです。
 同じ青森県内でも「津軽」や「金木」といった地域がまるで違う特色をもつ土地のように書かれているのがおもしろいです。

太宰治を身近に感じる一冊

 「太宰治もふつうの人」という、当たり前すぎる事実に気づく一冊でした。
 ふつうに話し、ふつうに呑んで、ふつうに旅しています。

 文字密度は高くびっちり書かれていますが、内容が内容だけにスイスイ読めました。

 ラストの盛り上がりはしみじみ良かったです。

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Category: 小説 — written by tsujio 09.09.07.(月) 07:48

なんだか迫力『串刺し教授』

串刺し教授 (新潮文庫)

著者/訳者:筒井 康隆

出版社:新潮社( 1988-12 )

定価:¥ 460

文庫 ( 274 ページ )

ISBN-10 : 410117122X

ISBN-13 : 9784101171227



 最も完成度の高い短編小説に贈られる川端康成文学賞。’85年の最終候補まで残った作品。

[『きつねのお浜』と『妻 四 態』

 電車の中で「ニヤリ」としてしまったのがこの二編です。
 
 読んでいて、“この本が発行された時代は「活字」にまだまだ力があったんだろうな”と思いました。
 ある意味“実験的”なこの本が発行されていた時代のふところの深さを感じます。
 「若い人から年配の人まで、みんな本読んでたんだろうなー」と思わせるような。

 本を読む人が少なくなった現代ではこういう本は出版されないんじゃないのかな。

筒井康隆の初体験

 マスターベーションをしている男子高校生がオルガスムスに達する瞬間テレポーテーションしてしまう短編、『郵性省』。

 そのあまりにもバカらしい短編に笑った記憶は10年以上経った今でも覚えています。
 久しぶりに読む本作には17編の短編が収められていましたが、基本的に何も変わってませんでした。

 無茶苦茶で、下品で、くだらなくて、勢いがすごくて。
 この本で感じる迫力は、筒井康隆の「鬼気迫る」、とでもいいたくなるような文章に対してです。
 テーマはほんとくだらないことが多いんですが、それを構成する力と勢いのある文章でどんどん読んでしまいます。
 
 筒井康隆は短編が多いので、電車の中で読むにはぴったりです。
 

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Category: 小説 — written by tsujio 09.09.03.(木) 07:00

やっぱり村上龍だった『メランコリア』

メランコリア (集英社文庫)

著者/訳者:村上 龍

出版社:集英社( 2000-09-20 )

定価:¥ 440

Amazon価格:¥ 440

文庫 ( 240 ページ )

ISBN-10 : 408747237X

ISBN-13 : 9784087472370


 ひとつの「事件」が三人の語り手によって異なる視点から語られる、『エクスタシー』『メランコリア』『タナトス』と続くシリーズの第二部。

書いたもん勝ちかっ

 殆どの人がコカインもヘロインも吸った経験なんてないじゃないですか。
 そんななか

コカインでもヘロインでも他の薬物でも、それとの関係を単純に楽しむ奴もいる、特にヘロインはそういう奴に向いているんだが、

 なんてもっともらしいことを言われると、わからないだけに“ああ、そうなんですか”と納得するしかないわけです。
 こういう描写がいたるところに散りばめられており、最終的には

熱帯の冬のビーチでのフリスビー、これがビーチの快楽の究極だよ、

になるわけです。
 わかるようなぁーわからんような。やっぱりわからんような。文章の雰囲気に丸め込まれてるような。
 “イヤミな文章”と紙一重なような。

村上龍を読んでいて思うこと

 「シリアスな暴力」の描写が多い村上龍の作品は高校生から大学生にかけてよく読んでいました。
 なかでも読売新聞で連載していた『インザ・ミソスープ 』は、新聞が届くのを郵便受けの前で貧乏揺すりしながら毎日待っているくらい大好きでした。

 この作品は主人公ヤザキの独白が、「句点(。)」を使わず「読点(、)」で延々とつなげていく“いつもの”息がながーい文章でつづられていきます。

  なかなか終わらない文章を追っているうちに作品に入り込み、非現実的でリアリティを感じる描写に気持ちが揺さぶられる、いつも村上龍を読んでいて感じることです。

 頭で「理解する」というか、単語の語感と読点で作られるリズムを「感じる」文章な気がします。
 ぼくは読んでいて気持ちが良いです。

 あ、「あとがき」を読んでいるときにこれが三部作の第二部だとわかりました。
 どおりでオチのないまま終わると思ったら。

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Category: 小説 — written by tsujio 09.09.02.(水) 07:52

起きてる?『怪物がめざめる夜』

怪物がめざめる夜 (新潮文庫)

著者/訳者:小林 信彦

出版社:新潮社( 1997-02 )

定価:¥ 500

文庫 ( 282 ページ )

ISBN-10 : 4101158320

ISBN-13 : 9784101158327



情報化社会にひそむ恐怖を描く現代の都市伝説(背表紙より)

これは・・・ゴルスラのような・・・

 『超読書法』を読み、「すごい量の本を読んでる」と感じました。本に対する意見も説得力があり、「なるほど」と思わされる箇所も多かったです。
 
 その、たくさんの本を読み批評している小林信彦の本はきっとおもしろいだろうと思い読みました。

 これは・・・『ゴールデンスランバー』?なんだか雰囲気が似ています。読んでいてなんだか“腑に落ちない”感じも同じです。
 何がオチなのかもよくわからず。

 「情報化社会にひそむ恐怖を描く」とありましたが、どこが「恐い」のかわからない不可解さがいちばん恐かったです。

 他の小説はおもしろいのかなー

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