太宰治の旅行エッセイ?『津軽』
著者/訳者:太宰 治
出版社:新潮社( 2004-06 )
定価:¥ 420
Amazon価格:¥ 420
文庫 ( 255 ページ )
ISBN-10 : 4101006040
ISBN-13 : 9784101006048
昭和19年津軽風土記の執筆を依頼された太宰が、3週間にわたって津軽を旅行したときの記録。
え?太宰治が「やっちゃった」?
私はその、甚だ卑しいことを、やっちゃった。(原文ママ)
くだけた文章に“ぎょっ”としました。ものすごい違和感。「歴史上の偉大な作家」とのイメージが強いもので。
紀行文というかエッセイというか小説のようでもあり、太宰治の「ユーモア」さえ感じます。
旅の目的はなんなのか
作者が36歳のときに小山書店の依頼をうけ、津軽の風土記を書くため久しぶりに帰郷する、とういのが始まりです。
旧家出身の太宰が昔の知り合いに会いながら、最終的には育ての親「たけ」との再開を果たす、というのがテーマでしょうか。
酒ばかり呑んでいる太宰治
日本酒やらリンゴ酒やら。この時代にビールまで呑んでいます。あったんですね。
ともかく呑んでいるシーンが多いです。
「県」が「国」という感覚
「国」というと日本であったりアメリカであったり中国などを思い浮かべますが、この本の舞台となる昭和初期、昭和19年頃は「県=国」という考え方も一般的だったようです。
同じ青森県内でも「津軽」や「金木」といった地域がまるで違う特色をもつ土地のように書かれているのがおもしろいです。
太宰治を身近に感じる一冊
「太宰治もふつうの人」という、当たり前すぎる事実に気づく一冊でした。
ふつうに話し、ふつうに呑んで、ふつうに旅しています。
文字密度は高くびっちり書かれていますが、内容が内容だけにスイスイ読めました。
ラストの盛り上がりはしみじみ良かったです。
