無条件にお勧めしたい『青が散る』
著者/訳者:宮本 輝
出版社:文藝春秋( 2007-05 )
定価:¥ 540
Amazon価格:¥ 540
文庫 ( 318 ページ )
ISBN-10 : 4167348225
ISBN-13 : 9784167348229
著者/訳者:宮本 輝
出版社:文藝春秋( 2007-05 )
定価:¥ 490
Amazon価格:¥ 490
文庫 ( 322 ページ )
ISBN-10 : 4167348233
ISBN-13 : 9784167348236
大学を舞台にする青春小説。TBSでテレビドラマ化もされています。主役は若き日の石黒賢。
一気に読み終える
残りページの厚みを左手で確かめながら“もうこれだけしか残ってない”のが判ったときは哀しかったです。
読んでいる最中は物語にどっぷり浸りページを繰るのが早くなり、読後は思わず“あーおもしろかった・・・”とひとりごとがボソッと出てしまうくらい夢中で読み終えました。
宮本輝はメジャーなので読むのは気後れしていましたが、この作品のあとは片っ端から読むようになりました。
有名になるのはそれなりに理由があるのをしみじみ感じました。
魅力的な登場人物
それぞれがすごく魅力的です。“あーおるおるこんな嫌なこと言うヤツ”“おるわこういう言い訳して逃げるヤツ”と感じるシーンがたびたび有り、登場人物の行動や言動に引き込まれます。宮本輝はホントによく人間観察しているなぁと思いました。感情の機微とか、本当に細かくてリアルです。
あまりに登場人物に現実感があり、作者が実際過ごした大学が舞台なので“実際にあったことを登場人物も含めてそのまま回想して書いただけちゃうんか”と思いましたが「あとがき」に「よくそう言われるがこれはフィクションです」とありました。
たしかにこう特殊な人生を背負った人たちが一カ所に集まることもないか、と納得したのを覚えています。
それぞれキャラ強すぎるし。
かぐわしき青春の香り
大学時代を無目的に過ごしてしまったぼくにとって、主人公達の大学生活から感じる若さや行動力、溢れるエネルギーはとても羨ましく感じました。
“おれもこんな大学生活送りたかった”と夕暮れが差し迫る街並みを電車からひとり眺めながら猫背になるのでした。
いーいなーいーいな、せーいしゅーんっていーいーなっ♪
と『日本昔話』のエンディング替え歌をせずにはいられないくらい素晴らしいです。
“一つのことに真剣に打ち込んだ経験がその人の人格を形成する上でものすごく大きいんだろうな”とあいまいな人生訓まで読み取ってしまう始末。
とにかく一読を
”やっぱり小説なんて作り話よりノンフィクションのほうがリアルで面白い。事実は小説より奇なりと言うし。より説得力のある非日常を感じるにはノンフィクションがいい”
と立花隆が“小説はしょせんひとまとまりのウソ”なんて書いていたのをそのまま鵜呑みにしていました。
小説が好きな人は「アラを探してやろう」「矛盾をついてやろう」なんて気持ちで読んでいるわけではなく、むしろ「積極的に騙してほしい。でも明らかにウソと判る話はやめてね。シラケるから」という気持ちで本をレジに運ぶのではないでしょうか。
読んでいる間だけでもそれを「本当のこと」と信じさせてくれれば。
でもこれだけ面白けく夢中になれればそれが作り話でもウソでも、そんなことはどうでもいいです。
しつこいですが是非一読を。


同じく、是非一読を!
併せて、『春の夢』も!
『春の夢』もいいですねぇ