言葉を浴びる『バンド・オブ・ザ・ナイト』
著者/訳者:中島 らも
出版社:講談社( 2004-02-13 )
定価:¥ 620
Amazon価格:¥ 620
文庫 ( 384 ページ )
ISBN-10 : 4062739860
ISBN-13 : 9784062739863
2004年2月15日に文庫本第1刷発行、同年7月26日中島らも他界。
笑えない中島らもの本。
中島らもが「アウトロー」なのはマジだった
『明るい悩み相談室』『ガダラの豚』『ビジネス・ナンセンス事典』『寝ずの番』・・・中島らもは大好きで多く読んできましたが、この作品はそれらとテイストが違う小説です。
『頭の中がカユいんだ』と『今夜、すべてのバーで』を足して2で割らずに酒樽に漬け込んだような小説です。
中島らもが自著の中で“ヒッピーだった”“ジャンキーだった”“咳止めシロップでラリる云々”とたびたび書いていますが、なんだかこの本はいつものように「ふーん」と流せない感じです。
だってこの本で語られる中島らも及びその周辺のひとたちはマジで「ろくでなし」なんですもの。
「LSD」や「ドリデン」や「トルエン」に「ノルモレスト」。「幻覚サボテン」と「マジックマッシュルーム」、およびそれでラリった登場人物の奇態と言動。
精神病院にスワッピングに毛ジラミにフリーセックスと飛田新地。
そんな情景が延々と続いていきます。
そんなセックス・ドラッグ・ロックンロールを日本で実践するおそらく事実、もしくはそれに近いことをしていたであろう描写にちょっと、いや、おもいっきり“引き”ました。
読んでダメな人多いだろうなー。
イメージの洪水
唐突にはじまります。イメージの「詩」みたいなものが。なんの脈絡もなく。最初「なんやこれ?!」と面食らいました。
何ページにも渡って続くものもあり、“ラリって書いてるんか?!”と思いました。
言葉のイメージが連鎖していきます。
幻覚を文字にしたらこんな感じでしょうか。
文章がラリってます。
ぐっときた
先述の脈絡のない文章もそうですが、中島らもの「素」を感じます。
“誰かに読ませること”を前提にしていない気がします。こういうのが中島らもが書く自然な、書きたい文章なのかなと思いました。
だからこそ、該当ページをどうしても見つけられませんでしたが
“自分は本当に表現できる何かがあるんだろうか”
という箇所にはグッときました。
ホロり。
