『ファザーファッカー』で心が揺れる
著者/訳者:内田 春菊
出版社:文藝春秋( 1996-10 )
定価:¥ 420
Amazon価格:¥ 420
文庫 ( ページ )
ISBN-10 : 4167267047
ISBN-13 : 9784167267049
その衝撃的な内容から発売当時ベストセラーになった内田春菊の小説。
内田春菊を敬遠してしまう理由
内田春菊の描くマンガと同じ露骨な性描写がありそうで、それが活字だとマンガよりストレートだと思いなかなか読む気が起きませんでした。
露骨な性描写を苦手に感じている人も多いのではないのでしょうか。
やっぱりタイトルのまんまだった
先述した「読むのを敬遠してしまう理由」に付け加えて『ファザーファッカー』というあまりにもあまりもなタイトルがあります。
キャッチーなタイトルですが、“「近親相姦」の話だったら読みたくない”と思っていました。
読んでみると、正確には「近親」ではありませんでしたが、それと同じくらいキツイ内容でした。
ほぼタイトル通りの内容に引いてしまう人も多いと思います。
ストーリーはサバサバすすむ
実際に行われた酷い行動に対して、客観的ともいえる淡々とした描写のせいで、視点がその酷い行為自体ではなく、そうなった状況と主人公の心理に行きます。
重いテーマを扱っているにも関わらず、思ったより読後の不快感は残りませんでした。
それでも読み進めるのが辛い人も多いと思います。
フィクションとは思えないリアルさ
フィクションだと思いたいのですが、フィクションだとは思えないリアルさを感じる箇所がいくつもあります。
“筆者が実際の体験を元に書いた小説”という意見が多いのですが、“内田春菊が自身のエッセイの「あとがき」で「実体験じゃないのにそういうことばかり(自身の経験か)聞かれてうんざりする」と書いていた”という意見もあり、積極的に後者を支持したいですがどちらが本当なのかわかりません。
本書の解説“にはそういう辛い体験をした内田春菊”というような記述もあって、どうやら本当らしいですが。
ま、「小説」という形をとっているので、どちらでもいいんでしょうけど。
「性的虐待」がもつ陰惨なイメージに心臓がギュッとなる
サバサバした文体のオブラートにくるんでみても、非人道的な行いは読むのがしんどいと感じる人は多いと思います。
最初から最後まで救いがない
「普通の日常にある日突然起こった事件」、ではなく、「起こるべくして起こった」と思われる不穏な描写がのっけから続きます。
あまりに酷い生活をそれでも何とかこなしていく主人公の「強さ」には、「感心する」というよりむしろ「引いて」しまいます。
積極的に読みたい話では、ない
たとえフィクションだとはいえ、読後どう受け止めていいのかわからないところが残尿感たっぷりでした。
読む人の経験によって受け取り方がぜんぜん違うと思う
Amazonのレビューにもありましたが、子供時代に暴力を受けた経験のある人は“この小説を読んで励まされた”そうです。
いろんな意味で心が揺さぶられる本だと思います。

私は、”読んでつらい”とか、”心が揺さぶられる”とか、全く思いませんでした。
動物的な感覚の主人公の心理描写が好きです。
『内田春菊の描くマンガと同じ露骨な性描写』
絵もそんなに上手くないし、露骨と言うよりあけっぴろげと言う感じはしますけど。
渡辺淳一の方が、よっぽ○○どだと思います。
>動物的な感覚の主人公の心理描写が好きです。
「動物的」という感覚がちょっとわかりません。
感じたことをそのままストレートに書いている、っていうことですか?
>絵もそんなに上手くないし、露骨と言うよりあけっぴろげと言う感じはしますけど。
たしかに“あけっぴろげ”でサバサバしている感じがします。