『破戒』する
著者/訳者:島崎 藤村
出版社:新潮社( 2005-07 )
定価:¥ 660
Amazon価格:¥ 660
ペーパーバック ( 500 ページ )
ISBN-10 : 4101055076
ISBN-13 : 9784101055077
島崎藤村が穢多・非人ををテーマに描いた作品。主人公は被差別部落出身の小学校教師。
穢多・非人は社会の授業で習っただけですが
『たかじんのそこまで言って委員会』で猿回しの村崎太郎さんが自身は被差別部落の出身であることを話しておられました。
また、野中広務も部落出身をカミングアウトしていると知りました。
でも、部落差別に関心を持ったきっかけで大きかったのは白戸三平の『カムイ伝』を読んだからです。マンガですけどあまりに酷い生活してたので。
主人公が“自身が部落出身者”でありそれを“カムアウトするかどうかで”苦悩する様は、『罪と罰』の主人公が自分の犯した殺人で苦しむ様とよく似ていました。
“バレそでバレないうっふん”な状態に苦しみ続け、最終的に「破戒」する場面はドラマティックでした。
後書きがおもいっきり批判なんですけど
ぼくが読んだのは新潮文庫ではなく岩波文庫版です。
「あーおもしろかった」と満足して『あとがき』を読むとこれが思いっきりこの小説の問題点の指摘です。
解説者は野間宏。
それゆえにこの小説は、部落の問題を本質的にはなんら解決しないところに結末を見いださなければならなかったのである。
あらら
この小説が差別される部落民の問題をとりあげ日本で最初の近代小説を確立しようとしながら、逆に多くの部落の人たちを傷つけ、苦しめてきた原因がある。
えー
“『破戒』も厳しい批判を受ける必要がある”
そんなに?!
『少年H』を読んだときにも思いましたが、やはり「戦争」や「差別」を取り扱った小説は何らかの形で批判されるんでしょうか。
でも『あとがき』でこんなこと書かなくてもいいのに。
なんだかむずかしいですね。
