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通勤で夢中になれる文庫本ブログ
Category: 海外小説 — written by tsujio 09.10.13.(火) 06:00

あまりにもあんまりなタイトル『ハイスクール・パニック』

バックマン・ブックス〈2〉ハイスクール・パニック (扶桑社ミステリー)

著者/訳者:スティーヴン キング

出版社:扶桑社( 1988-11 )

定価:¥ 620

文庫 ( 303 ページ )

ISBN-10 : 4594003656

ISBN-13 : 9784594003654



 ハイスクールに通う主人公が父のピストルで先生を射殺。

 本作の内容がコロンバイン高校の乱射事件バージニア工科大学銃乱射事件など多くの校内乱射事件を思い起こさせるとしてキング自身が絶版を決断したという青春サスペンス小説。

やっぱキングはすごいぜ

 教室に立てこもった主人公が教室にあるスピーカーとマイクを通して交渉役の先生と話すシーン。

 短いシーンですが、畳みかける主人公の質問と内容が異常さと緊迫感を醸しだし、すごい迫力です。

 “おーーすげぇな”
 リアリティのある描写とその構成に思わず唸りました。

「似ている」、というか「ほぼ同じ」に感じる

 本書の発行は1977年、キングが 「リチャード・バックマン」名義で発表しました。
 コロンバイン高校銃乱射事件は1999年、バージニア工科大学銃乱射事件は2007年です。
 
 「学校に通う生徒が同級生や先生を射殺」、という内容は本作とほぼ同じで、動機以外はまるで将来の事件を示唆していたようでもあります。

 “多くの校内乱射事件を思い起こさせる”
 としてキングが自ら本書を絶版にしたのもわかります。

30年も前の作品とは思えない

 事件自体が現在でも起こりえるように、描かれている事件の背景も現代とそう変わりがないように感じます。
 それが30年前のこの作品をまったく古くさせず、現実の事件がよりこの作品を新鮮にしていると思います。

タイトルは原題で良いじゃないか

 『ハイスクール・パニック』って。
 どういうセンスでこんな安っぽい邦題をつけたんでしょうか。

 投げやりというかテキトーというか。

 誰がつけたか知りませんが、作品に愛情のない不真面目なタイトルだと思います。
 “おちゃらけ”てますがぜんぜんおもんないし。

 原題の『RAGE』(激怒・激烈)のままで良いじゃないか。
 センスなさ過ぎです。

 とまあタイトルはともかく、“初期キングもやっぱりすごい”というのを味わってください。
 

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