人間関係が『卍』固め
著者/訳者:谷崎 潤一郎
出版社:新潮社( 1951-12-12 )
定価:¥ 460
Amazon価格:¥ 460
文庫 ( 199 ページ )
ISBN-10 : 4101005087
ISBN-13 : 9784101005089
大阪弁の語感を文字に表そうと試みた筆者が、女性の同性愛という特異な題材を女主人公の独白体で綴った野心的な長編。
え!?同性愛の話?昭和初期に?!
“さすがやなぁータニジュンは”と読み進めていくと単なるレズ話に非ず。
『痴人の愛』でもそうでしたが、中盤から終盤にかけての盛り上がりは一気で、“こんな内容をこんな顔して書いてんねや”と思うと“おかしい”というより“鬼気迫り”ます。
何度も映像化されているようです
いろんな時代、いろんな出演者で映像化されているようですが、最初に映画化されたのはこの作品のようです。
出演は船越英一郎のお父さん船越英二、若き日の岸田今日子など。
パッケージ左が岸田今日子か。
きれいですね。
おばあちゃんバージョンしか知らんからなー。
谷崎潤一郎が描く女性は気が強い
『痴人の愛』のナオミ、『春琴抄』の春琴、『細雪』の妙子、どれもこれも気が強く、サディスティックと言ってもいいくらい。
とくに春琴はドSです。
本作の主人公園子も春琴ほどではありませんが、同じく気が強い。
夫と言い争う場面では、気が強く口が達者なのにウンザリしました。
タニジュンはそういう女性が好みなのでしょうか。
はんなりした大阪弁がつくるやわらかい雰囲気
同じ絵画教室に通う女性と同性愛になる人妻のモノローグが、
「伺いましたのんですけど」(伺ったのですけど)
「云やはった」(おっしゃった)
「えらいひつこい」(とてもしつこい)
「帰りはりますよって」(帰りますので)
等の船場言葉で語られており、作品を“はんなりした”やわらかな雰囲気にしています。
船場言葉とは
作品の印象を大きくしている船場ことば。
「昔の大阪で上流階級が使っていた、はんなりした語感の大阪弁」、のようですが、現在の大阪弁とは、かなり、特に語尾が違うように感じます。
谷崎潤一郎が東京から関西に移住してすぐ、作品に船場言葉を多用しているのをみると、谷崎潤一郎は“とても耳が良いんだな”と思います。
ぼくが考える卍キャスト
最後に、読んでいて頭にイメージした配役です。
- 園子(主人公)・・・田中美里
- 光子(園子の恋人)・・・真矢みき
- 柿内(園子の夫)・・・石黒賢
- 綿貫(光子の恋人)・・・及川光博
- お梅どん(お手伝い)・・・森久美子
なんで真矢みきなのかはわかりませんが、石黒賢と森久美子はぴったりな気がします。
ミッチーは“演じて欲しい”という希望です。





