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通勤で夢中になれる文庫本ブログ
Category: エッセイ,オススメ本 — written by tsujio 09.10.23.(金) 07:52

寝る前にパラパラする幸せ『河童が覗いたヨーロッパ』

河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫)

著者/訳者:妹尾 河童

出版社:新潮社( 1983-07 )

定価:¥ 620

Amazon価格:¥ 620

文庫 ( 302 ページ )

ISBN-10 : 4101311013

ISBN-13 : 9784101311012



 1年間で歩いた国は22カ国。泊まった部屋は115室。舞台美術家の著者が、心優しい目と旺盛なる好奇心で、ノート片手に覗いた“手描き”のヨーロッパ。(裏表紙より)

大人の絵本

 晩ご飯を食べてお酒も呑み、お風呂に入って身体ぽかぽか“さぁ寝よう”、そんなときに2?3ページ読むと自然にまぶたが降りてくる。

 15年前、高校生のとき買ったこの本を最近引っ張り出し、そんな幸せな日々を過ごしています。
 
 Google Earthで簡単に世界旅行が疑似体験出来るようになりましたが、妹尾河童さんが実際に見て体験した“大人の絵本”は発行から31年経った今も魅力的です。

真上から部屋を見下ろした絵を観るだけで楽しい

 泊まったホテルの部屋がスケッチで描かれ、その横にこれまた手書きで解説や感想が書かれています。
 河童さんのノートが友人の間をまわり評判が評判を呼び出版された、というエピソードも頷けます。

 これを出版しないのは勿体ない。

詳細なスケッチもさることながら

 絵を見て楽しいのはもちろんですが、文章も河童さんの飾らない言葉で綴られておりスルスル読めます。
 そのリズムの良さとスケッチが、睡眠を呼び込んでくれます。

お国柄の違いも

「日本人は知らない人同士になるとエゴイストになる」
 部屋のスケッチのみに留まらず、各国のちがいにも触れられています
 その中で、パリの日本人旅行者についてのものがあります。

筆者が実際にパリで見たスウィングドアの光景

 “日本人旅行者はスウィングドアをあけて自分が通るとそのまま行ってしまう、後ろにいた人は跳ね返ってきたドアが顔に当たりそうになりびっくりする”

 ぼくは電車通勤をしていますが、スウィングドアを通った後振り返りもしない人は毎日見ます。
 また、駅で足を踏まれたことは何度もあります。

他人にはエゴイストになる日本人

 それはおっちゃんだったりおばちゃんだったり若い男性だったり女性だったりしますが、「あ、すいません」「あ、ゴメン」のひと言はありません。

 殆どの人が他人の足を踏んでも“知らん顔”です。

 電車の中でデカイ声で携帯を使っているのは若い人だけじゃありません。
 おじさんもおばさんも唾を飛ばし、握りしめた携帯に怒鳴っています。

 そうか、ああいう人たちは「あかの他人に対してエゴイストになる日本人の典型」なんですね。

『覗いた』シリーズ

 河童さんは『仕事場』やら『インド』やら『日本』やら『トイレ』やら、いろんなものを覗いて廻っています。
 なかでも海外に興味のある人に本書はオススメです。

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Category: オススメ本,ノンフィクション — written by tsujio 09.10.21.(水) 07:05

『深夜特急』でいこう!

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

著者/訳者:沢木 耕太郎

出版社:新潮社( 1994-03 )

定価:¥ 420

Amazon価格:¥ 420

文庫 ( 238 ページ )

ISBN-10 : 4101235058

ISBN-13 : 9784101235059



 インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く―。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。(背表紙より)

全6冊あるしあわせ

 読み終わり、ペラペラと目次のページをめくると『深夜特急2 マレー半島・シンガポール』から『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』まで残り5冊あることが判明。

 「良かった、まだ読める」
 と“夏休みの終わりまでまだけっこうある”ことがわかった小学生くらい嬉しかったです。

大沢たかお主演のドラマもあるのは知っていましたが

 いつもの如く

 「有名過ぎる作品は読むのがおっくうになる病」

 が発病していましたが、

 「有名になるにはそれなりの理由がある」

 ワクチンによって1ページ目をめくることが出来たのでした。 

 インドを出発するシーンから始まり、香港・マカオを旅したシーンに戻るという“前に進んで始めに戻る”構成で、読み終わったあとの“早く続きを読みたい感”を強めています。

香港の雑踏が目に浮かぶよう

 沢木耕太郎が観るもの、食べるもの、話す人、筆者の目線を借りて街中を歩き回っている感覚です。
 
 自分ではムリであろうきったないホテルに泊まったり、何が入っているかわからないものを食べたり。
 本書を読むことによって疑似体験出来ます。
 
 一所に立ち止まらずに、常に動き続けている(場面が変わる)ので、どんどん引き込まれます。
 とくにマカオでギャンブルをするシーンは臨場感に溢れており、ドキドキしながらページを繰るスピードも上がります。

『あとがき』の対談集も興味深い

 山口文憲との対談集で、海外の話が中心ですが、“そうだそうだ!”と思った話がひとつありました。

ドロップ・インとは?

 脇道にそれること、あるいは辞めてしまう「ドロップ・アウト」という言葉は一般的ですが、一旦外れた道からふたたび元のルートに戻るドロップ・インという言葉ははじめて知りました。

 本書では

今でも、社会に出ていった人が四十、五十になってもう一度大学に入り直すというのはあるし、もちろんそれはそれで素晴らしいことだと思うけど、二十五、六歳とか三十いくつといったレベルの人が一度外に出て行って、もう一度戻れるというのがあるとありがたいよね。

 と語られています。

○ 中学→高校受験→高校→大学受験→就職活動→就職

 という一貫した流れには社会との比較で自分を理解する期間が含まれていないことに疑問があったので、ドロップ・インというシステムが欧米と同じように日本でも一般的になり、選択肢が増えればと思います。

平野甲賀の装幀がいい

 椎名誠の本を多く手がけている平野甲賀。
 好きなデザイナーですが、本書もそうでした。
 雰囲気が良いですよね。

 ともあれ、続きを読むのが楽しみです。

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Category: エッセイ,オススメ本 — written by tsujio 09.10.14.(水) 06:00

言葉もおいしい『最後の晩餐』

最後の晩餐 (光文社文庫)

著者/訳者:開高 健

出版社:光文社( 2006-03-14 )

定価:¥ 660

Amazon価格:¥ 660

文庫 ( 406 ページ )

ISBN-10 : 4334740413

ISBN-13 : 9784334740412



 ペットフードから皇帝の料理、精進料理にフランス料理と中華料理とホルモン焼きにワイン。
 果ては人肉食までを豊富な語彙で彩ったエッセイ。

ことばの豊かさを味わう

  • 「こんがり日焼けした若い娘の肌のように軽快で、乾いて、すこやか」?クロワッサン
  • 「大衆食堂でも食べられるスブタはただもうキャラメルみたいにドド甘くねばついている」?酢豚
  • 「ムッチリとしているのに歯切れがよく軽快で、おつゆがたっぷりと内包され、はんなりした甘みがある」?ホルモン
  • 「まことに気品高い香りが肉の年輪からたちあがり」?サケ
  • 「ブルゴーニュでは上品すぎるので、コクのある、腰の張ったのがいいネ」?ワイン

 わかるような、わからないような表現ですが、その雰囲気は感じます。
 特に最後の“腰の張っているワイン”は分かった気にさせてくれる表現です。

 とにかく語彙が豊富で、読み終わったあとは少し賢くなった気分です。

ページが真っ黒なんですけど

 まず文字が少し小さいです。
 会話もあまり入りません。
 改行もあまりなく。

 そしてどのページも文字でビッシリ。
 406ページとありますが、その1.5倍、2倍近くある分量を読んでいる感じです。
 なーかなか進まない。

魚の記述に激しく同意

たとえば魚のうまい部分は、頭、目玉、カマ、内臓、砂ズリ、それから背の肉という順序になるかと私は思っている。
(原文ママ)

 メインで食べている“背の肉”が一番下だとは思いませんでしたが、頭や内臓が美味しいのは同感です。

 内臓がうまい例えとして、「ライオンは獲物を獲ると一番おいしい内臓から食べ始める」なんてよく言いますね。

内蔵とお酒の切っても切れない関係

 ただ、内臓系はお酒とセットのようなものなので、お酒が飲めない人はまた違う順番になるかと思います。
 ぷりぷりの生レバーにビール、甘にがい魚の肝に日本酒、たまりません。

 昨日食べたさんまのハラワタは油がのっていて最高でした。
 旬のものは安くてうまくて最高です。

 ぼくが一番好きな内臓はカワハギの肝で、煮付けにしたそれはホントもう考えるだけで舌がトロけそうです。
 あまりの旨さに『カワハギの肝』という本も出ています。

和田金のホルモンが食べられる店

 文中にある“和田金のホルモン”。
 和田金は松阪牛で有名な伊勢市にある超有名・高級焼肉店で自社牧場を持っています。

 “大事に大事に育てられた超特級牛のモツ(ホルモン)の味はいかに”、と開高健たちが走り回る、というシーンがあります。

 そのなかに“和田金のホルモンを扱っている店もいくつかあるらしい”、という記述があったのを美容室に置いてあったBRURTASの焼肉店紹介ページを読んでいるとき思い出しました。

 読み進めると、まさにこれです。
 焼肉 千力 本店

 先日も近くのホルモン屋でわしわし内臓を食べましたが、次の日はコラーゲンゲンコラーゲンでお肌つるつるでした。

 和田金のホルモンだとどうなるんだろう?。
 
 本書の和田金ホルモンを食べている描写は、もっっっっのすごくうまそう・・・・。

「喫人」という行為について考える

 そもそも人間が人間を食べることを「喫人」と呼ぶなんてこの本を読むまで知りませんでした。
 古代中国、アウシュビッツ、アンデス山脈遭難事件などが取り上げられています。

 あくまで食事としての文化から、または宗教観やその意味にまで触れているのでぜんぜんグロテスクではありません。

開高健の魅力は

 “開高健(たけし)の博覧強記”と他の本で読んだことがありますがまさにその通りで、その知識と経験はうらやましいです。

 それでいて少しも嫌みなところはなく、“感受性の強い人だなぁ”とその表現にフンフンうなずきながらぐいぐい読み終えました。

味覚と山の高さの関係

 また、味覚のことを山の高さに例え、

“頂上から頂上へと移るばかりでは山の高さは分からない。普段は裾野にいて、たまに頂上に登るから山の高さが分かる”

 というようなことを書いていました。

 “ふだんからいいものばっかり食べるのはツマラないよ”、ということだと思います。
 そうだそうだーさんせーさんせー。

 なんだかいろんなことがわかった気になったのでした。

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Category: オススメ本,海外小説 — written by tsujio 09.10.09.(金) 06:00

保護中: 男なら!!『ジャッカルの日』

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Category: オススメ本,海外小説 — written by tsujio 09.10.06.(火) 07:51

シンプルが一番『シンプル・プラン』

シンプル・プラン (扶桑社ミステリー)

著者/訳者:スコット・B. スミス

出版社:扶桑社( 1994-02 )

定価:¥ 734

Amazon価格:¥ 734

文庫 ( 581 ページ )

ISBN-10 : 4594013562

ISBN-13 : 9784594013561



シンプル・プラン [DVD]

販売元:東宝ビデオ( 2001-03-23 )

定価:¥ 6,300 ( 中古価格 ¥ 2,470 より )

Amazon価格:¥ 20,160

時間:122 分

1 枚組 ( DVD )



スティーブン・キング絶賛の天性のストーリー・テラー、衝撃のデビュー作。(背表紙より)

映画はすごく良かった。小説はもっと良かった

 DVDで観て、「おもろかったなぁ?めっちゃよう出来てるな?」と思わずため息が出た映画版。
 その後に読んだ原作はもっとおもしろかった。

 「映画と小説のどっちがおもしろいか」なんて比べられませんが、どっちが好きかというとぼくは小説が好きです。

 ぜひ両方観て(読んで)ほしいです。
『青春デンデケデケデケ』も映画と原作、両方良かったです。

『シンプルプラン』小説の魅力

 本編が終わる577ページまで、文字通り“一気に”読んでしまいました。

“偶然見つけた飛行機にあった440万ドル(現在で4億円くらい?)の現金、ほとぼりが冷めるのを待って仲間内で山分けする”
 
 というだけのシンプルな計画(プラン)。

 その設定だけでもワクワクしませんか?

これを書いたスコット・スミスは当時27歳でした。すげぇ。

 はやく次が読みたくて読みたくて、空き時間をフルに活用し、睡眠時間も削って二日で読んでしまいました。

 ぐいぐいストーリーに引き込まれます。
 キングが絶賛する理由もわかる気がします。

この人が強烈な魅力の映画版『シンプル・プラン』

 主人公のお兄さん役、ビリー・ボブ・ソーントン
 不潔感あふれ、映画でのダメ人間っぷりもサイコーです。

 映画ではあんなに汚くて不潔だったのに、なんとアンジェリーナ・ジョリーと結婚していたとは。(2003年に離婚)
 
 監督やバンドなど、多才な俳優さんです。

 配役とずっと曇り空に覆われているような雰囲気が原作にピッタリです。

 ホントに両方素晴らしいと思うので是非。
 

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