残ページを確認しながら『ストリート・キッズ』を読む
著者/訳者:ドン ウィンズロウ
出版社:東京創元社( 1993-11 )
定価:¥ 1,155
Amazon価格:¥ 1,155
文庫 ( 512 ページ )
ISBN-10 : 4488288014
ISBN-13 : 9784488288013
「プロの探偵に家業のイロハをたたき込まれた元ストリート・キッドが、ナイーブな心を減らず口の陰に隠して、胸のすく活躍を展開する」(背表紙ママ)
ストリート・キッズをオススメする4つの理由
主人公が魅力的
主人公のニール君がとても魅力的です。なんとなく表紙の絵に惹かれ買いましたが大当たりでした。同じく表紙に惹かれて買った人も多いみたいですね。
最初の数ページで不幸な生い立ちが頭にインプットされるので、その後の軽妙な会話もなんとなく切ないです。
ニール君への感情移入もスムーズでページを繰るスピードも速くなります。
508ページと厚めの文庫本ですが、「アッ!・・・」という間に読み終えました。
会話が楽しい
主人公を含め思わず“ニヤリ”としてしまうやりとりが多く面白いです。いちいち洒落が効いているというか。こういう会話がポンポン出るので読んでいてリズムが出ます。
展開に強弱がある
このように読んでいて楽しいところは楽しくシリアスなところは徹底的にシリアスに描かれているため、読むリズムが出てどんどん話に引き込まれていきます。読んでいて「気持ちいい」というか。
出社前に読むと続きが気になって仕事が手につかず何も仕事してないのに定時退社すること請け合いです。
文章は上手だと思います
訳者(東江一紀)の文章力に寄るところも大きいと思いますが、会話は言うまでもなく場の状況や心理描写もスムーズです。
登場人物よりドン・ウィンズロウ(作者)のキャラが強すぎ
マフィアが自分の赤ちゃん(人質ではありません)を背負って微笑んでいるような写真が載っていますが、作者の経歴もすごいです。
- 俳優
- ディレクター
- 教師
- 記者
- 劇場支配人
- 研究員
- 臨時雇いの覆面警官
- フレンチ・ドレッシングの大桶にケチャップをぶち込む係
- そのドレッシングの配達係
- どさ回りのボードビル劇団でブリキの横笛を吹いたり取り落としたりする役
- テロリスト対策シミュレーションでの“人質”役
を経験しており、現在は「調査員兼作家兼サファリ・ガイド」。
アフリカ史の学士号と軍事死の修士号を持っているそうです。
マジメなのかふざけているのか判りませんが、本作は「イギリス国防省の調査活動でロンドンにいたとき、背中の骨を折って、長い入院生活を送ることになり、それが記録的に暑い夏だったので、時間つぶしと現実逃避のためにストーリーを練り始めた」んだそうです。「特に取材をしたわけでもなく、自分の体験をもとに書いた」とも。
真偽はともかく、人を喰っているのは間違いなさそうです。
たまたま手に取った本がこれだけ面白かったのはホントにラッキーでした。
ぜひ一読ください。

